新型コロナウイルス感染症の感染者数集計について(令和2年8月28日現在)

2020-09-05

世田谷区内の感染状況(令和2年8月28日現在)

1.感染者数  感染者数(累計数)1712人  入院中 79人  宿泊療養中 51人  自宅療養中 50人  退院等(療養期間経過を含む)1512人  死亡 20人

2.感染者数の推移  区内の感染者数は、3月末から急激に増加し始め、4月6日~12日の週に107人となりピークを迎えました。4月7日の緊急事態宣言の発出を受け、4月20日~26日の週頃から感染者数は減少傾向に転じ、5月25日緊急事態宣言解除頃には、新規感染者数が0~1人程度の日が続き、小康状態となりました。その後6月末頃から再び増加傾向に転じ、8月3日~9日の週では新規感染者数が257人にまで急増しました。週ごとの感染者数は100人を超えており、予断を許さない状況となっています。

3.男女別の感染状況  男女別の累計感染者数は男性が女性の約1.4倍となっており、区民全体の男女比47:53(男性 436,552人  女性 485,004人  令和2年4月1日時点)と比較すると男性に感染者数が多い傾向が見られます。感染者数が急増した状況において顕著に表れています。

累計  男性 991人(58%) 女性 721人(42%) 計1712人

4.年代別の感染状況  全感染者1712人のうち20代から50代の感染者数が1412人と、全体の約82%を占めています。一方で20歳未満及び70歳以上の感染者数は依然として低い割合となっているものの、区内の高齢者施設や幼稚園等でも、集団感染が確認されるなど、年代を超えて感染が広がっている状況です。6月下旬以降、特に20代と30代の感染者が急増しており、こうした世代から、子どもや高齢者への感染をいかに防止するかが大きな課題となっています。

年代別感染者数累計  0~9  27人  10~19 53人  20~29 592人  30~39 380人  40~49 262人  50~59 178人  60~69 95人  70~79 65人  80~89 36人  90~99 3人  不明 3人  計1712人

5.地域別の感染状況  感染者数の累計及び人口10万人(6月1日時点)当たりの感染者数で比較を行いました。地域別の感染者数については、地域内で感染した感染者数ではなく、あくまでも感染者の居住地域別に累計を算出したもので、数値の高さがその地域での感染が流行していることを示すものではありません。世田谷地域では、国の緊急事態宣言発出前後に一時的に感染者多くなっていましたが、その後は他の地域と同様の推移となっています。 

【累計数】 世田谷 673人  北沢 358人  玉川 324人  砧 163人  烏山 194人  全体 1712人  【人口10万人あたりの数】 世田谷 263.86  北沢 231.32  玉川 142.78  砧 98.80  烏山 159.67  全体 185.44

6.重症等の患者の状況  新型コロナウイルス感染症にり患した1712人のうち、区が重症等を(酸素投与、人工呼吸器、死亡等)を把握した症例は45件です。このうち、体外式膜型人工肺(エクモ)による治療を受けていることを区が把握した事例は2件ありました。全感染者数のうち、重症等の患者のほとんどが40代以上であり、30代以下の重症等のリスクは低いという傾向が表れています。45例における男女比、年代、基礎疾患の有無、人工呼吸器の使用の有無、症状の経過状況は以下の通りです。なお、45例のうち症状の経過により死亡に至った事例は20件でした(基礎疾患により死亡した可能性も含まれます)。

【重症患者の男女比】 男性  35人  78%  女性 10人  22%  【年代別内訳】 30代  1人 40代 10人 50代  10人 60代  7人 70代  6人 80代 5人 90代  6人  【基礎疾患の有無】あり 42人(93%) なし2人(5%) 不明  1人(2%)  【人工呼吸器使用の有無】あり  16人(36%) なし  20人(44%) 調査中  9人(20%) 【症状の経過状況】軽快(退院)19人(42%) 軽快(入院中)5人(11%) 死亡  20人(45%) 調査中  1人(2%)

7.死亡者の状況  感染者における死亡者数は20人です。年代別の死亡者数は、90代が6人と最も多く、50代と70代が4人、80代が3人、40代が2人、60代が1人となっており、40代未満の死亡者は出ていません。年代別の感染者数では20代から50代が多い一方、死亡者数は90代が最多となっていることから、高齢者ほどリスクが高く、より感染を防ぐ対策が必要です。また、死亡者全20人のうち、だんせ男性が15人、女性が5人となっており、男性が多い傾向にあります。さらに基礎疾患のあった人は19人であり、全国的な傾向と同じく、基礎疾患のある人ほど死亡のリスクが高い状況となっています。死亡した感染者の最初の症状は、発熱が16人と最も多く、次いで肺炎像が9人となっており、症状が重複している例もありました。

【年代別死亡者数】30代以下  0人 40代  2人 50代  4人 60代  1人 70代  4人 80代  3人 90代  6人  【男女比】男性  15人(75%) 女性  5人(25%)

8.感染源の状況  感染源不明と区分している患者は全体の60%となっています。一方で感染源判明と区分している患者について、家庭内感染が32.6%、飲食店での会食等による感染が20.8%、職場内感染が13.7%などとなっており、身近な人から感染している事例が多く見られ、これに伴い子供や高齢者を含めた全年代に感染が広がることが懸念されます。こうした状況を踏まえ、外食等を行う際には、感染拡大を防止する細やかな配慮とリスクを最大限回避する習慣をひとり一人が実践することが大切です。また、感染症対策を実施している店舗や施設を利用する、会食や飲み会は少人数とするなど「感染しない・感染させない行動」が重要となります。料理を取り分け、同じ皿に複数人が箸をつけないようにする、食事以外はマスクをするなど、十分に警戒する必要があります。

9.濃厚接触者の状況  感染者が発生した場合、その濃厚接触者について、保健所が健康観察を行っています。5月29日以降、健康観察者にPCR検査を実施しており、感染者一人に対し、多数の接触者が発生するために、ひとり一人へのPCR検査の案内や結果通知、健康観察といった業務にかかる負担が大きい状況になっています。

【健康観察状況】(濃厚接触者) 6200人 (観察終了) 症状なし・PCR検査陰性等 4886人 連絡普通 11人 (観察中)917人 (PCR検査陽性)386人 

【地域別の濃厚接触者の状況】(世田谷)観察終了 1426人 観察中 149人 PCR検査陽性 112人 計1687人  (北沢) 観察終了 767人 観察中 103人 PCR検査陽性 59人 計929人  (玉川) 観察終了 998人 観察中 79人 PCR検査陽性 64人 計1141人  (砧) 観察終観察終了 510人 観察中 45人 PCR検査陽性 26人 計581人  (烏山) 観察終観察終了 421人 観察中 59人 PCR検査陽性 37人 計517人  (区外) 観察終了 36人 観察中 1人 PCR検査陽性 15人 計52人  (その他) 観察終了 739人 観察中 481人 PCR検査陽性 73人 計1293人  (合計) 観察終了 4897人 観察中 917人 PCR検査陽性 73人 計6200人 

10.PCR検査数の推移【PCR検査数】4月の検査数 786件  5月の検査数 1411件  6月の検査数 1518件  7月の件数 4597件  8月の件数 4496件

11.クラスター発生状況  区内におけるクラスター(5人以上の患者発生のあった施設)は、飲食店2軒、医療機関2件、社会福祉施設3件、私立幼稚園1件、寮等の共同住宅3軒の11件です。

12.社会福祉施設等での感染の発生状況  区内高齢者福祉施設、障害者福祉施設、児童福祉施設等で、職員や利用者に患者が発生した事例は49件把握しています。

13.区立施設での感染の発生状況  区立施設(社会福祉施設等を除く)では、職員等の感染事例がこれまでに7件発生しています。

烏山保健福祉センター 4月25日 職員1名  区立小学校A 7月5日 児童1名  区立小学校B 7月20日 支援スタッフ1名  本庁舎(第2庁舎) 8月11日 職員1名  本庁舎(第2庁舎) 8月19日 職員1名  区立小学校C 8月24日 教員1名  区立小学校D 8月25日 児童1名

区の取組みと今後の対応

1.有識者との意見交換  新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し全庁的に対策の検討、対応を行っています。感染症対策と経済活動の維持の両立が今後の課題となる中で、専門家による最新の知見と助言を得る「世田谷区としての戦略的な布陣」を敷き、令和2年7月27日(月)の新型コロナウイルス感染症対策本部会議において、各分野の有識者から多様な視点から意見を伺いました。

〇PCR検査の拡充として、社会的インフラを支える施設やそれらを支えている区民等への社会的検査を行うことは感染防止策として有効である。 〇地域政策の在り方が変化しており、区が区民をどのように守るかを示すことが大切だる。 〇感染拡大防止により、日常生活が変化し、子どもの「生活・そだち・権利」に影響を与えていることを認愛規することが大切である。 〇子どもたちに対してこの間説明がないために、受動的に大人の意思決定に従うしかなく不安だけが大きくなっており、子どもたちが主体的に考えられるような情報の提供の仕方に課題がある。 〇PCR検査を拡充するという意思は大切だが、どのように実現して行くのか体制や環境整備を丁寧かつ具体的に検討していくことが重要である。等

2.電話相談体制の強化  今後の相談件数の更なる増加にも対応できるよう、専門人材をさらに投入し、回線を増強するとともに、区民が問合せ内容に応じて適切な相談先を選択し、必要な回線に振り分ける機能や、通話内容に応じて録音も可能な機能も導入し、相談件数が増加した際も適切に対応できる体制を整備します。

9月から10回戦(状況に応じて最大21回線まで拡大可能)

3.PCR検査体制の充実  第2波の到来とも呼べるような状況の中、感染症の疑いがある有症者の方や濃厚接触者のPCR検査(従来型)の1日あたりの最大想定件数を300件程度から600件程度に拡大します。

区内医療機関 1日あたり 180件(保険診療)⇒ 180件(保険診療)  世田谷区医師会・玉川医師会 1日あたり 100件(保険診療80、行政検査20)⇒ 260件’(+160)(保険診療)  世田谷保健所 1日あたり 80件(行政検査)⇒ 160件(+80)(行政検査)  最大検査数 360件(保険診療260、行政検査100)⇒ 600件(保険診療440、行政検査160)

拡大にあたって検体採取検査機器の設置に向けた検討を進めています。検査結果判明までの時間短縮が図られ、検査翌日の午後以降に判明したものが翌朝には判明するものです。

尚、従来型と並行して新たな試みの社会的検査(介護事業所で働く職員、保育園・幼稚園で働く職員、特養等の施設入所予定者を対象に1日 1000人程度、前鼻腔拭いで自己採取し、プール方式で実施。会場及び施設訪問による自己採取)につては、プール方式が国で認められていない、1回限りで2か月の期間を要するため実施についての効果が得られない、陽性者が出た場合の対応の体制が明確になっていない、東京都も同様の検査体制を新たに実施する等の意見により変更の検討が現在行われておりますので実施に関しての変更の可能性があります。

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